札幌の街は、豊平川扇状地に開けた街である。豊平川は支笏湖西側にある小漁山を水源とし、豊平峡・定山渓・簾舞・札幌市街を経て石狩川へ注ぐ、全長72kmの川だ。市街部の河川敷は整備され、豊平川ハーフマラソンやアイヌ民族の"カムイチェプノミ"の舞台、花火大会の会場として札幌市民に親しまれている。子供の頃に鵡川の河川敷を遊び場とした経験のある者としては、豊平川の側も歩いてみたいと、冒険心をくすぐられる。それで真駒内から石狩市の石狩湾河口まで辿ってみた。この地域において、かつては"アバレ川"だが、豊かな動植物達の第一次生産者だった石狩川は、護岸工事等により現在の姿になったという事だ。河口付近には、真勲別湿原が広がっている。豊平川を辿る旅、ゴールは葦やススキが生い茂った中に敷かれた長い長い木道のその先にあった。足元は砂地に変わり、流れは広大な海へと繋がっていた。今度は広大な石狩川の上流を辿ってみると、"カムイミンタラ"と呼ばれる深い山々と谷が広がっている。水源となる石狩岳を山頂まで詰めると、私の足で登って降りるのに9時間を要した。
この4月に機会を得て、丘珠空港から釧路湿原上空を周回し、たんちょう釧路空港に降り立ち、生まれて初めて丹頂の世界へ足を踏み入れ、北海道東部にしか生息していない、丹頂の生育環境を見る事ができた。釧路市丹頂自然公園では、給餌台の設置やヨシ原の保全など、ヒナを孵し丹頂を増やす為に様々な工夫が施されている事をわかりやすく学ぶ事ができた。この様に、経済や物質的な、あるいは効率化といった物差しではなく、自然に向き合う学ぼうとすると、たくさんのことを教えられるのである。人は生き抜くために山や川や島や湿原等に手を加えてきたが、壊れれば二度と元には戻らない大切なものを、守ろうという意識は薄いように感じる。その土地固有の植物の盗掘や減少、餌付けによって野性を失った動物、人間の生活圏に入り込み事故に遭う動物の話をよく聞くようになった。これらのものは守らなければならないことにまだ気づかない。そうしている間にも火山活動は続いているし、産業廃棄物は溜まっている。人間は無意識のうちに自らの首を絞めてはいないだろうか。野生の動植物に原始の自然が必要なように、人間もまた自然である以上、自然に還ることのできる場所が必要である私は思う。
斜里岳登山の際、野付半島を経由して札幌からはるばる斜里に着いて、夜、頂いたハマボウフウの甘酢和えに感動した。海岸の砂地に自生するというこの植物も、海浜の侵食等の影響により希少だと言うことだ。故郷の鵡川河口をはじめとして湿原や海浜(護岸工事等の影響で減少しつつある干潟の)、気候変動のから起こる緩衝帯としての役割が注目されるようになったのは、ここ最近のことらしい。野生動植物世界へ足を踏み入れることの多い私だが、希少となってしまった動植物や生態系、地形の移り変わりのなど、調べても分からない事がたくさんある。
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